基本の苔の育て方・増やし方

苔の育て方

今人気の苔。
苔テラリウムに苔玉など、その楽しみ方も様々。

見て美しく、触って優しい苔ですが、その育て方についてはご存知でしょうか?
もし今ある苔をもっと増やしたいと思った時、一体どうしたらいいのでしょう。

ここでは苔を扱うにあたり、基本の育て方と増やし方についてまとめたいと思います。

基本の苔の性質を知ろう

苔の性質を知ろう

一言で苔と言ってもその種類は数百種類に及びます。

その苔ごとに生育環境は異なるのは確かです。
なので、正確にその苔について知るには種類ごとに調べた方がいいでしょう。

ですが、「苔」として大まかにくくった時ある程度似たような性質を持ちます。
ここでは陸上苔を対象に基本の性質をまとめます。

苔は根から吸収しません

苔は根から栄養を取らない
植物と言えば、土に根を張りそこから栄養分や水分を吸収し、維管束という管を通って全身に届けている、そう理解している人が多いと思います。
事実、多くの種子植物はそのようにして生育します。
しかし、同じ植物であっても苔の場合は違います。

苔には種子植物と同じ意味を持つ「」は存在しません。
確かに根に似た部分はあるのですが、それは「仮根」と呼ばれるもので、ここから栄養分や水分の吸収は行っていないのです。
仮根は石や土壌、腐木上に自分の身をくっつけておくためだけの役割を担います。

では苔は栄養や水分をどのようにして吸収しているのでしょうか。
実は苔は主に葉と茎から養分や水分を吸収することができます。

養分と言っても、肥料をあげる必要はありません。
苔は水と光と空気があれば育つ丈夫な植物。

肥料をあげることで逆に雑菌や微生物が増えすぎて苔がダメージを受けることもあります。

苔は湿度が大好きです

苔は湿度が大好き

多くの苔は湿った環境を好みます。
と言っても、湿度100%の環境を与えるべきだと言っているのではありません。

日照と湿度のバランスが適切な環境を与える必要があります。
これに関しては、苔の種類によって違いがあります。

苔の種類別生育環境

上記の表を参考にして、適切な水分と光を与えるようにしましょう。

苔テラリウムは、周囲をガラスに囲まれているため急激な湿度変化を起こしにくく、狭いガラスケースの中は土や苔自身からの蒸散により高湿度状態が保たれています。

このような条件からも、苔テラリウムは苔を育てやすい環境であると言えます。

苔は直射日光が嫌いです

苔は直射日光が嫌い

多くの苔は適度な日差しは好むものの、大部分は直射日光を嫌います。
ギンゴケのような丈夫な苔であっても直射日光が当たる場所ではその繁殖スピードが落ち、なかなかコロニー形成が進みません。

苔を育てる場合には、屋外であれば木漏れ日のような環境、室内であれば部屋の中心部などに置くとちょうどいいと思います。

風通しがいいとカビにくい

風通しがいいとカビにくい

室内で苔を育てる場合、多くの方が直面するのが「カビ」です。
そもそも苔の生育環境とカビの生育環境は重なる部分が多いため、苔と同時にカビが生えることも。

唯一相容れない違いがあるとすれば、カビは高温多湿の蒸れた環境を好むのに対して、苔は蒸れが苦手です。
蒸れた場所から腐敗したり、茶色く変色したりすることも。

口の狭いテラリウムの場合、季節によっては中が蒸れた状態になりがちです。
その際には少し涼しい場所に置いたり、空気を吹き込んだりします。

風を入れ、空気を動かすことでカビも生えにくくなりますよ。

苔はどうやって増やしたらいい?

苔の増やし方

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苔は公園など身近な場所でも採取できますが取りつくすワケにはいきません。
庭などの広い範囲を苔で覆いたい場合には「増やす方法」を考える必要があります。

苔は一体どんな方法で増やすことができるのでしょうか?

苔の増やし方1.「貼り苔法」

貼り苔法
出典:http://ex-asuka.jp/blog/post-1880.html

最も手軽で、広範囲を覆いつくせるのがこの「貼り苔」です。

やり方

苔専門店で購入したり、採取した苔をマット状のまま覆いたい場所に貼り付けます。
苔の好む土壌や腐木上、岩上などに苔を置き、目土を入れて動かないようにします。

後は岩上や腐木上などはテグスなどで固定するとより効果的です。

後は仮根が出てきて自然にその場に定着するのを待つだけです。

貼り苔のメリット

・簡単に広範囲を覆いつくすことができる

貼り苔のデメリット

・苔を購入する場合には範囲により高額になる場合がある
・定着しない可能性がある
・自然に定着するまでは貼った苔マットの隙間が目立つこともある

苔の増やし方2.「蒔き苔法」

蒔き苔法
出典:http://blog.livedoor.jp/mossboy/archives/cat_996455.html?p=4

時間はかかるけれど、コストは最小限で定着もしやすいのがこの「蒔き苔」です。

やり方

蒔き苔の方法はいくつかありますが、最もポピュラーなのは乾燥させた苔を粉砕し(種こけ)、それを土壌に撒く方法です。

苔は胞子で増える植物ですが、それとは別に無性生殖でも増えることができます。
苔を粉砕して撒く「蒔き苔」はまさにこの無性生殖での繁殖をさせることなんです。

基本的には育苗箱などに排水性・保水性の高い土を入れます。
私がよく作る土は赤玉:ピートモス:ケト土3:3:4で行っています。

その上に粉砕した苔を蒔きます。
苔はなるべく重ならないように、均一になるように蒔いていきます。
苔を蒔いたらスコップなどでならして、その上から川砂等で目土入れしていきます。

キッチンペーパーなどを上に被せ、その上から水をたっぷりとかけてあげます。
土や苔が浮かないようになるべく時間をかけてゆっくりと水を与えるようにします。

日陰の場所に育苗箱を置き、発芽するまで(約1ヶ月)は毎日水を与えるようにします。
発芽後は自然の降雨で経過をみてOK。

キッチンペーパーは自然に腐食してしまうので、そのまま放置でOKです。

蒔き苔のメリット

・低コストで苔を繁殖できる
・均一でフラットな苔マットを作ることができる
・生育環境が同一の場合には定着も安定する

蒔き苔のデメリット

・繁殖に時間がかかる

苔の増やし方3.「移植法」

スギゴケ

苔テラリウムなど狭い空間で苔を増やそうと思ったらおもにこの方法になると思います。

やり方

苔を単体株、または数本が地下茎でつながったような状態になるように取りわけます。
それをテラリウム容器や鉢など、繁殖させたい場所に植えつけます。

土壌は排水性・保水性の両方を兼ね備えたもの。
赤玉土:ケト土が3:7など。
土壌は必ず湿らせておきましょう。
ピンセット等で先に穴をあけて置き、そこに静かに株を差し入れます。

ほぐした苔はとてもデリケートなので慎重に操作しましょう。
植え付け後は霧吹きなどでたっぷりと濡らしておきます。

植え付け直後~2週間は変色などのトラブルを起こしやすい時期もでもあります。
変化にすぐに気が付けるように、毎日ちゃんと観察しましょう。

移植法のメリット

・狭い空間にたくさんの種類の苔を入れることができる
・低コストで増やすことができる

移植法のデメリット

・広範囲の場所には不向き
・苔をデリケートな状態にしてしまうため、変色などのリスクが高い

苔の育て方・増やし方まとめ

苔の育て方・増やし方

苔はとにかくたくましい植物です。

繁殖方法もひとつではありません。
ダメージを受けて枯れたように変色した苔も、気が付くと復活していることも。

やってみて、「失敗!」と思っても辛抱強くその苔を観察し続けてみてください。

理想通りの苔の姿を目にすることができることを願っています!

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