大切に育てていた苔テラリウム。
美しく生き生きとしたその緑が特徴なのに、気が付いたらカビが・・・!
そうなんです。
苔テラリウムを育てることで多くの方が直面する問題、それが「カビ」です。
苔テラリウム=カビが好む環境です
実は苔テラリウムが育つ環境はカビが好む環境でもあります。
口の狭い瓶に入れるからこそ、多湿な環境が維持できるのですが、同時に空気の動きが少ない多湿環境はカビも大好きです。
一体どうしたらいいのでしょうか。
ここではその対策を詳しくまとめていきたいと思います。
苔をボトルに入れる前に気をつけたいこと
苔も弱ってくると茶色く変色したり、白っぽくなったりなどの変化があります。
このような場所には比較的カビが生えやすいもの。
苔を採取にボトルに入れる時にはこのような「弱った部分」を先にカットしてしまうことが重要です。
ボトルに入れる苔は鮮やかな緑で生き生きとしている部分だけに絞ります。
土や木は購入した方が無難
苔を設置する際に、土や木などを同時にボトルに入れることになると思います。
この際の土はなるべくなら購入したものを使います。
自然のものを採取した場合、虫の死骸や土の中にあるカビ菌も同時にボトルに入れることになります。
結果、テラリウムにカビが生えやすくなってしまう可能性があるのです。
どうしても自然のものを使いたい場合には、目に見える虫やその死骸、枯葉などを丁寧に取り除き、その後しっかりと日光消毒すると比較的カビが生えにくくなります。
また腐木上の苔を採取した場合、なるべく腐木を取り除くとカビが生えにくくなります。
炭・くん炭を土に入れる
炭には調湿作用があります。
必要以上に高湿度になった場合にも炭がその湿度を調整してくれます。
結果、カビ対策にもなります。
ボトルのサイズにもよりますが、手のひらサイズであれば小さじ1杯程度の炭、またはくん炭を入れておきましょう。
日常的に注意する点
手がかからないと言われている苔テラリウム。
ただし、こまめに観察し、変化には敏感に気づいてあげる必要があります。
ここではカビを生えさせない普段のお手入れ方法をまとめます。
水やり後は半日以上蓋をしない
ほとんどお手入れ要らずの苔テラリウムですが苔の表面が乾いてきた際に、霧吹きなどで水をあげます。
この直後はすぐに蓋をせずに、余分な水分は蒸発させてしまうために半日ほど蓋をせずにおいておきましょう。
ボトルが湿気で曇っている時にも蓋は開けておく
ボトルが湿気で曇ってしまうこともあります。
この場合、ボトル内の水分が多いということ。
または温度が高く、蒸れてしまっている可能性があります。
このような状況になったら蓋を開けて涼しいところに置きます。
曇りが取れて再び蓋をして大丈夫になればOKです。
水やりの時に息を吹きかけてあげます
口の狭いボトルは空気が滞りがち。
これを改善するために、水やりのタイミングで息を吹きかけてあげましょう。
空気も動きますし、二酸化炭素の供給にも繋がります。
ヒバの精油を希釈して水やりに
カビ対策としてヒバの精油を5,000~10,000倍に希釈して水やりの際に使います。
こうすることで、日常的にカビ対策ができます。
すでに生えてしまったカビ対策
丁寧に管理していても、ちょっと見ないうちに苔が生えてしまうということもあります。
そんな場合の対策をまとめました。
酢または木酢液を1000倍ほどに薄めて、カビ表面を拭い取ります。
その後、園芸用の消毒液を噴霧します。
消毒液は「ベンレート」か「トップジンM」「ダコニール1000」などがおすすめです。
大体1000倍程度に希釈して使います。
何をしても再発するカビには
何度消毒液を掛けてもしばらくするとカビが再発してしまう場合には、一度苔と土を全てボトルから出してしまいます。
ボトル自体は熱湯消毒し、仮根が付いてない部分の土は新しいものと交換します。
さらに苔は日陰の風通しの良い場所においてしばらく管理します。
その後、苔の生育が安定したところで再びボトルに戻すとカビが生えにくくなります。
カビは苔テラリウムの宿命かもしれません
湿潤環境と空気の動かなさ。
この環境で苔を育てる苔テラリウムはカビの発生と常に隣り合わせです。
また、テラリウムを作りたての時には苔も土もまだ安定せずにカビが生えやすい時期となります。
苔テラリウムを購入して、または作って3ヶ月はカビは生えやすい時期との心づもりが大切です。
苔にカビが生えたからといって、苔は簡単には枯れません。
カビが生えたからといってその苔テラリウムがダメになったのではないのです。
カビに負けない丈夫な苔を作り育てる。
もしかしたらそれも苔テラリウムを育てる上での楽しみのひとつかもしれません。
苔の採取は必ず地権者の許可を取った上で行ってください。
コメント