まるで花が咲いたように上を向いて葉を広げるコツボゴケ。
薄く半透明のその葉は見るものを夢中にさせるほど、美しい。
この花のように見える部分は雄株。
コツボゴケは雌株と雄株があり、受精によって増える苔です。
※それ以外でも増えますが。
コツボゴケは苔好きなら見逃せない苔の一つ。
ここでは人気のコツボゴケを徹底的にご紹介しますね。
この透明感、本当にきれいなんですよ。ぜひ実物を見てほしいです♡
コツボゴケを学術的に説明すると
マゴケ亜綱ホンマゴケ目チョウチンゴケ科ツルチョウチンゴケ属コツボゴケ。
横に這うようにして伸びていきます。透明で明るいグリーンの葉をたくさんつけるのが特徴です。
コツボゴケが分布する場所
日本全土で見られる在来種。
世界的には東アジア、東南アジアでも見ることができます。
自生する環境
コツボゴケは湿潤な環境を好みます。
それでいて、乾燥にもそんなに弱いわけではありません。
比較的丈夫な苔なので、苔玉や苔庭としても良く取り扱われます。
渓流脇の水しぶきがかかるような岩上から、日陰地の腐葉土の上など、幅広い場所でコツボゴケを見ることができます。
好んで自生する場所は、高湿度で日陰~半日陰の環境。
崖崩れ防止の人工壁を好み、特に石灰質のものに好んで着生します。
田んぼ脇の水路などでは、渕に張り付いていたりします。
がけ崩れ防止ネットのフチにもたくさんはえてたりするもす。
見た目の特徴は?
何といっても透明感のある葉が特徴的。
また、地を這うように長く伸びる茎にたくさんの葉を左右対称につけていきます。
卵型の葉の大きさは1~3㎜ほど。全体的に明るい緑色になるのが特徴です。
仮根部分は密に茶色い仮根を密につけます。
雌雄異株。
上記でもまとめましたが、雄株は花のような形の雄器盤をつけるのが特徴で、その部分は花のような形状になります。
普段は地を這うように伸びていきますが、直立する傾向もあるため、群生すると立体的で厚みのあるマットを形成します。
ちょっと遠目に見ると、沖縄で食べられる「ウミブドウ」に似ているんですよね~。
採取方法
マットを形成して、岩の上で広がっている場合には、岩とコツボゴケの間に薄い、プラスチックのシートの様なものを挟み込んで持ち上げるとキレイに簡単にはがすことができます。
発泡スチロール容器などで持ち運びはOKですが、コツボゴケは蒸れと熱には弱いため、たった数時間であっても蒸れと熱でダメージを受けることもあります。
なるべく通気のよい場所に置き、蒸れないようにして採取後はなるべく早く植え付けをするようにしましょう。
コツボゴケの育て方
上記でも少し触れましたが、コツボゴケはとにかくムレに弱いです。
基本的には丈夫な苔なので、多少の日差しや乾燥にも負けませんが、蒸れにだけは弱く数時間でも蒸れが続くと、数日後に茶色く変色することもあります。
苔テラリウムでも好んで使われる苔の一種ですが、コツボゴケを苔テラリウムに入れた場合は、こまめにフタを開けて換気をしたり、息を吹きかけてあげたりするのがおすすめ。
ついでに二酸化炭素を取り込んで元気になります。
コツボゴケは乾燥してくると葉を縮め、緑色が少し濃くなります。
これを見かけたらなるべくたっぷりと水を与えてください。
コツボゴケの増やし方
コツボゴケは生育環境が合えば、本当に良く増えます。
たっぷりと新鮮な水分を定期的に与え、日差しに関しては日陰~半日陰に置きます。
移植法が最も早いですが、撒きゴケでも増やすことができます。
撒きゴケの場合は乾燥させたものを粉砕して行ってもいいですが、ただ手で軽くちぎって、用土の上に撒いても新芽を付けます。
新芽が出るまでの1~3ヵ月間は毎日たっぷりと散水するようにしてください。
マット状のものをそのまま張り付ける場合(移植法等)には、すでにコツボゴケが密になっている場合、少しマットを広げて新芽が伸びる余地を作ってあげると成長がスムーズになります。
コツボゴケとツボゴケの違いは?
同じツルチョウチンゴケ属のコツボゴケとツボゴケですが、この二つには決定的な違いがあります。
それはコツボゴケが雌雄異株なのに対して、ツボゴケは雌雄同株です。
また見た目にもツボゴケの方が全体的に大きめです。
コツボゴケは田畑や家の垣根などでもみられるのに対して、ツボゴケは山林など人気のない場所に自生する傾向があります。
コツボゴケって水中化できるの?
アクアリウムなどでも使われるコツボゴケ。
半水中化は問題なく出来る場合がほとんどです。しかし完全に水中化する場合には少し工夫が必要です。
まずは光ですが100ルクス以下で2時間/日は光量を必要とします。
二酸化炭素は添加すると葉がキレイに成長します。大がかりな二酸化炭素添加装置でなくとも、タブレットを定期的に入れるだけでも十分です。
※あまりたくさんの二酸化炭素を添加すると、藻が増えやすくなるので注意してください。
管理人が偏見と独断で選ぶ、コツボゴケの最もオススメの利用法は
コツボゴケは利用範囲が広い苔です。
その中でも最もおすすめなのはアクアリウムかもしれません。
水中化を楽しんだり、水を滴らせながら光を浴びて透明に輝くコツボゴケはとても美しいです。
次点として苔テラリウム、次いで苔玉・苔庭となります。
コツボゴケは比較的入手もしやすい上、丈夫です。見た目には透明感があってとても弱弱しいのに、育ててみるとそのタフさに驚くこともあるかと思います。
苔ビギナーさんにぜひおすすめしたい苔の一種です。
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