見た目には可愛い・・・?かは微妙とも言えるムチゴケ。
ムカデゴケ科というだけあって、地を這うムカデや青虫にも見えなくもない。
だけどよく見ると、ツヤツヤと透明感のある深い緑や、幾何学模様のように正確に二股に分かれる形状はなかなか趣があります。
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インパクトの大きい苔ですよ、ムチゴケは。
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苔仲間には意外とムチゴケファンも多いんですもす。。
今日はそんなムチゴケについて詳しくまとめていきますね。
ムチゴケを学術的に説明すると
ゼニゴケ門ウロコゴケ綱ウロコゴケ亜綱ウロコゴケ目ムチゴケ科ムチゴケ属ムチゴケ。
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遡ればゼニゴケの仲間なんです。
別名「オオムカデゴケ」とも呼ばれます。
確かにムカデの見た目に似てなくもない気がしますね↓
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小さいムカデがたくさん集まったように見えるでもすー。。
ムチゴケが分布する場所
ムチゴケが分布するのは本州全土。
主に四国・九州に多く分布する傾向があるようです。
世界的には東アジアでも見ることができます。
自生する環境
ムチゴケが自生する環境は水気の多いところ。
渓流沿いや小川の側、山の斜面で水が滴るような場所に自生します。
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この環境を好む当たりがゼニゴケの仲間っぽいですね。
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じめっとしたところが好きなムチゴケ。
そんなところもちょっとムカデっぽい??
形状としてほふく型のため、仮根がひっかかりやすい樹皮や腐葉土、木の根元などでよく見かけられます。
見た目の特徴は?
何といってもキレイに分かれた「二股」。
ムチゴケの特徴的な草姿です。
そして、半透明な葉はウロコのように重なります。
ムチゴケはこの葉が成長とともに増えて、二股から先がどんどん長くなります。
成長しきると、全長で10cmを超えます。
大型の苔です。
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上の画像はまだ赤ちゃんのムチゴケですね。
ムチゴケにはいくつか種類があり、コムチゴケ、マエバラムチゴケなどがあります。
仮根にびっしりと根毛をつけるのも特徴の一つです。
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見た目に区別はむずかしいんだよね・・・。
採取方法
採取する際には管理機関・地権者等の許可を得てから行ってください。
ムチゴケはほふくタイプなので、マット状で広がります。
そのため、薄く平たいプラシートのようなものを差し入れて持ち上げるとキレイに採取できます。
仮根にはたくさんの根毛を生やして地面と密着しています。
比較的丈夫な苔なので、採取の際にこの根毛を切ってしまっても影響は少ないことが多いです。
育て方
ムチゴケは適応能力が高い苔です。
やや乾燥した場所でも、慣れてくれば生育し始めます。
しかし基本的には渓流沿いを好むほど湿気が好きな苔です。
また、光はそれほど必要としません。
日陰~半日陰で湿気が多い、または直接水がかかるような湿った場所を好みます。
とはいえ、蒸れは大嫌い。
ムレてくると、腐ってしまうこともあります。
ボトルに入れて育てる場合には用土を斜めに盛り、そこに張り付けるようにするとよく生育します。
用土は樹皮培養土か腐葉土に赤玉土や川砂を入れて通気を良くしたものを使います。
根毛で張り付くので、土は密にしないで、根毛が入り込みやすいように柔らかいものを用意します。
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ケト土のような粘度の高い土だけだと、定着しないことも多かったですよ。
ほふくするタイプの苔は地上からの湿気を葉の裏でとどめてしまうため、ムレやすいという特徴があります。
常に新鮮な水分が供給される自然界では問題ないですが、人工的に育てる場合にはムレない、新鮮な水分を供給しやすい環境づくりが大切です。
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葉に透明感があってツヤツヤしている時はムチゴケさんが元気だよ!と言ってる証拠です!
増やし方
ムチゴケはタイ類。
繁殖は葉状体の細胞分裂によって行われます。
ゼニゴケのように分かりやすく杯状体をつけることはないので、繁殖については未だはっきりとわからない部分も多いです。
増やしたいなら移植法がベストと思われます。
適した環境であれば葉をどんどん増殖させて、厚さ3㎝程度のマットを形成していきます。
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ムチゴケの繁殖方法は現在試行錯誤の真っ最中。
分かったことがあればこちらに追記しますね。
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すぐ増えるけど、なんで増えるのかわからないのでもすー。
管理人が偏見と独断で選ぶ、ムチゴケの最もオススメの利用法は
強く丈夫な苔なので、苔庭などの緑化に向いています。
マット形成も早く、良く広がるので早く苔庭を作りたい人にはベスト。
ただし、見た目がやや難ありなのと、高い湿度を好む苔であること、また認知度が低く、市販されていないという点からも現実的にはあまり苔庭にムチゴケを導入している人は少ないようです。
幾何学的な模様にも見えるムチゴケは苔テラリウムにしても◎。
全体をムチゴケにするとインパクトが強すぎるかもなので、部分的にムチゴケを使うと見た目にしっくりと仕上がることが多いです。
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