山間部の水辺や渓流沿い、水の滴る岩上などに自生するホウオウゴケ。
名前の通り、透き通る美しい羽根のようなその姿はファンならば垂涎ものです。
ただし流通数は少なく、入手が困難なのが難点でもあります。
今日はそんな「ホウオウゴケ」についてまとめていきたいと思います。
ホウオウゴケを学術的に説明すると
生体分類はシッポゴケ目ホウオウゴケ科ホウオウゴケ属ホウオウゴケ。
同じ属性にトサカホウオウゴケやヒメホウオウゴケがあります。
長さは数センチから10cmほどになるやや大形のコケ。
茎を挟んで左右対称に葉がつきます。
葉はやや透明で、緑は濃い目のものが多いです。
乾燥に弱く、乾燥を感じると葉が黄色く変色します。
分布する場所
分布は日本全土ですが、山間部の湿気の多い渓流沿いや、水が滴る岩上を好むためごく限られた場所にのみ自生しています。
販売されているものはおもにアクアリウムショップなどで若干の取り扱いがあります。
水中でも育つことができるため、アクアリウムの水草としての愛用者も多いです。
アクアリウムでは「ウォーターフェザー」の名前で親しまれています。
世界的には東アジア、東南アジア、フィジーなどで確認されています。
採取方法
自生しやすい水辺を探すか、山間の常に湿り気を帯びているような岩上や崖上を探すと見つけられます。
一種でコロニーを作っていることは珍しく、大体はハイゴケなどと混在しているため、探すのが容易ではありません。
崖上であれば、岩から少し葉先を浮かせて自生しているので、それを目印に探すといいでしょう。
仮根は短め。
採取は岩上からコロニーごと引き剥がすように移植ゴテなどを使用して採取します。
苔の採取は必ず地権者の許可を取った上で行ってください。
育て方
多湿を好む種類のため、テラリウムであれば、口の狭いものか、蓋付きがおすすめ。
アクアリウムでも適応性が高く、炭や木などに活着させて水中化することも多いです。
水中化させる場合には二酸化炭素を添加すると活着しやすく、元気な状態を維持できます。
半日陰を好むものが多いため、直射日光は避け、霧吹きなどでまめに水分を与えるようにします。
高湿度を保て、環境に馴染めば長くその生育を楽しむことができます。
ただし、夏の高温により蒸れが生じると葉が黄色く変色してしまうこともあります。
30度以上の高温には晒さないように注意が必要です。
増やし方
基本的には自然繁殖を待ちますが、やや生育の遅い苔でもあります。
環境があれば移植法で増やすこともおすすめです。
大量に繁殖させて、苔庭などに使う場合にはかなり環境が限定されるため、難しい場合がほとんどです。
管理人が偏見と独断で選ぶ、ホウオウゴケの最もオススメの利用法は
アクアリウム、または蓋付きの苔テラリウムとして楽しむのがおすすめです。
アクアリウムの場合、溶岩石などに輪ゴムを巻き付け、その間にホウオウゴケを挟んで水中化します。
二酸化炭素を添加することで、鮮やかなモスグリーンを楽しむことができます。
活着は比較的ゆっくりです。
新芽が出てきて、それが岩に活着することの方が多いように思います。
テラリウムで育てる場合には、高温と蒸れを避け、なるべくこまめに霧吹きで水を与えるようにしましょう。
葉が常に湿っているようにツヤツヤしている状態がベストです。
直射日光は与えず、室内管理の場合には部屋中央付近に置くようにします。
乾燥にも弱いので、風が直接当たらないように注意が必要です。
半透明の美しいグリーンが濡れて艶めく姿がとても美しいホウオウゴケ。
ぜひ、その美しさを身近で楽しんでみませんか?
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