冬の苔の育て方~茶色く干からびた苔を復活させる方法とは?

苔の育て方
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冬―。
1年草の植物であれば、枯れてしまう季節。
多年草でも多くの種類は葉を落とし、茎を枯らし、地中の中でじっと春を待つ季節です。

では苔はどうなのでしょう。
小さくて、軟弱そうにも見える苔ですが実は冬の寒さには意外なほど強いという側面があります。

とはいえ、いくら寒さに強い苔でも場合によってはうまく冬越しできないことも・・・。
ここでは冬の時期にどのように苔を育てるか、またいったん茶色になってしまった苔を復活させる方法についてまとめていきます。

庭の苔・・・雪が降ったらどうなるか?

雪の下のスナゴケ
上記したように苔は寒さに耐性のあるものが多いです。
よって雪が降るような時期でも、実は雪の下で枯れずにじっと耐えています。

画像は雪の中から顔を出したスナゴケです。
寒さから身を守るために葉を閉じて茶色っぽくなっています。

苔の大半は寒い時期になると、繁殖能や生育速度を落とし、休眠状態で春を待ちます。
水分もほとんど必要としません。

このことから分かるようように、冬は苔は放置でOK!
お庭の苔は霜柱などで土から剥がれてしまうこともありますが、これもそのままでOK。

凍って剥がれた苔は、時期がくれば無性芽や胞子によってまた繁殖を再開します。
集合しすぎたコロニーにとっては、このように部分的に剥がれた方がより繁殖を活発化させることもあるのです。
(※マット形成途中の場合については後述します)

苔は自然に寄り添った植物。
苔の方が上手に自然を利用していると言っても過言ではありません。

冬の時期に苔を枯らしてしまう原因は寒さではなく、この休眠状態にあれやこれやと手をかけすぎてしまうことかもしれません。

そんな苔にも苦手はある

雪の下のスギゴケ
凍ろうが、雪に埋もれようが生き抜く力を持つ苔。
しかし、そんな苔にも苦手なものがあります。

それが「寒風」です。
冬の乾いた風は苔にとって苦手なものの一つ。

湿気を含まない乾いた空気は苔の水分を奪い去ります。
結果、苔は葉を閉じて茶色く乾燥したような状態になる場合も。

決して死んでしまったワケではないですし、春には再び苔の緑を復活させることができる場合がほとんどです。
ただし、過剰に寒風を当ててしまうと、苔自体が弱ってしまうことも。

もし、お庭の苔などで茶色くなる期間をできるだけ短くしたい、と思うのであれば、直接寒風が当たらないように何かで覆ってあげるといいです。

苔寺などでは、たくさんの松葉で苔を覆ってしまいます(=敷き松葉)。
こうして冬越しをさせることで、寒風のダメージが少ない状態でしっかりエネルギーを溜め込み、春(主に5月頃)には活発に胞子が散布されます。

普通のお庭であれば、これほどの松葉を用意するのは大変ですし、春になって今度は松葉を処分するのも大変だったりします。
お庭の苔を保護するのであれば、寒冷紗と呼ばれるシート状のものが便利です。
5m、1,000円くらいでホームセンターに売っています。

マット状の苔希望なら霜にも注意が必要

雪から顔を出したスナゴケ
マット形成途中の苔が霜柱で持ち上がって剥がれてしまうことがあります。

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密生した状態であれば少しくらい苔の剥がれがあった方が、温かい時期にマット形成が加速することもありますが、そこはやはり苔。
種子植物のような春の芽吹きの勢いはありません。

大きなマットであれば数年かけて作られるものなので、せっかく年月をかけて作った苔が剥がれてしまうのは避けたいですよね。

霜柱で持ち上がった苔が飛んでいく可能性があれば、あらかじめ寒冷紗を掛けておきます。
風がそんなに吹きすさぶような場所でなければ、日が差して霜柱が溶けた後に、優しく土に押し戻しておきましょう。

細かい鹿沼土を目土入れするのも効果的です。

で、茶色になった苔はどう管理したらいいか

茶色になった苔の育て方
上記にも書いたのですが、茶色く変色しカサカサに枯れたように見える苔でも死んでしまったワケではありません。
確かに苔も枯れてしまうこともありますので、100%枯れてないとは言い切れませんが、冬の寒さが原因で茶色くなった苔の多くは休眠状態になっただけです。

苔庭で雪が上に被さった場合にはそのまま春を待ちましょう。
雪が無く、寒風は吹きすさぶような場合なら、寒冷紗を掛けます。
盆栽の下草としての苔やテラリウムの苔であれば、直接寒風が当たらない場所に置くか、室内(寒い場所でもOK)に入れてあげましょう。

寒い時期であれば水やりは必要ありません。
ただし、温かい室内に置くのであれば葉の縮れが出てきたタイミングで霧吹きで水を与えます。

経験上、寒い時期に腰水で水を与えると苔の元気を奪ってしまうことがあります。
よほど室内の乾燥が気にならない限りは、冬は霧吹きで与えるだけでOKです。

冬の苔の育て方・まとめ

木の枝にコロニーを形成したスナゴケ
雪の時期になっても、木の枝に着生した元気いっぱいの苔をよく目にします。
上の画像はつつじの枝に着生したスナゴケです。

丸くコロニーを作ってまるで冬毛になった動物のように見えます( *´艸`)
何度も繰り返しますが、苔はとにかく強い植物です。

枯れた!と思ってもあきらめずに春まで待ちましょう。
例え、その個体が枯れても苔は一部の細胞が生きていれば無性芽でも増えます。
いわゆるクローンのようなものですね。

そんな強い生き様を目の当たりにできるのも冬~春にかけての苔の楽しみ方かもしれません!

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