日本に苔の種類は1800以上!身近な苔から不思議すぎる苔をご紹介!

苔の種類

日本にはおよそ1,800種類の苔が自生していると言われています。
パッと見にはどれも同じ苔に見えるけれど、実はこんなにも種類があるなんて驚きですよね。

しかも、苔は専門家でも同定(種の特定)することが難しいことって多々あります。なぜかというと、生育環境が少し変わるだけで同じ種の苔でも柔軟にその姿を変えて、適応しようとするからです。

mossco
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そう考えると、もっと種類があるかもしれませんね。

あまりにも身近。
だけど、実は意外と知らない不思議な不思議な苔の生態。

今日は身近な苔とちょっと自然が多ければ見つかる苔、希少性のある苔、摩訶不思議な苔などについてまとめていきたいと思います。

コケモン
コケモン

私ね、よく「藻(も)」と間違えられるんもすよ・・・。

都会住みでも目にしたことがある苔3種!

どんなに都心に住んでいる方でもほとんどの方が目にしているであろう苔をご紹介します!

ギンゴケ

ギンゴケ
日本で最もポキュラーな苔と言えばこの「ギンゴケ」でしょう。

もっと詳しく一番近くにいる苔「ギンゴケ」の採取と育て方・増やし方

よく生えている場所

ギンゴケの生育場所
よく見かけるのはアスファルトの隙間。
コンクリートの壁と道路の間。

歩道と道路の段差などにこんもりとコロニーをつくっているのを何気なく目にしているのではないでしょうか?

ギンゴケの特徴

ギンゴケの特徴
ツンツンと針山のような葉が特徴的。ハリガネゴケ科ハリガネゴケ属に分類されています。
乾燥すると白っぽくなり、まるで「いぶし銀」を思わせるような色味になることからこの名前が付きました。

mossco
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よく見ると本当に美しい苔なのですが、どこにでも生育してしまうこと、埃をかぶって汚れると汚く見える点から、除去の対象となってしまうことが多い苔です。

ギンゴケは森のパイオニア

苔の中でもとにかく丈夫です。
都会でよく見るギンゴケのコロニー。清掃運動などでサクっと剥がしてしまわれがちですが、実はあのコロニーはギンゴケの生態系の集約とも言える形なんです。

土のないところに飛んできたギンゴケの胞子が留まり、そこで生育し、小さな群集を作ります。そこにさらに風で飛んできた土ぼこりが溜まると、それが保水になりギンゴケは増殖しやすくなります。

そして、そこで寿命を迎えたギンゴケは苔に住む「ウォーターベア=和名クマムシ」と呼ばれる体長1㎜ほどのムシが食べて排泄したものは土へと変わります。

この土を用土にまたギンゴケが増殖します。これを繰り返すことで、ギンゴケは土を作り、そこに別の生き物が誕生します。

ギンゴケが「森のパイオニア」と言われる所以です。

mossco
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ちなみにこのクマムシ、世界最強生物と言われているんですよ。

コケモン
コケモン

-272℃(絶対零度)でも100度以上でも死なない。
真空でも深海以上の水圧でも問題なし。人が一瞬で破壊されるほどの放射線を当てても無傷。食料がなければ飲まず食わずで100年以上生きると言われるクマムシ。まさに最強生物ですもす。

 

スナゴケ

スナゴケ
紫外線にも雪にも、寒風にも強い苔、スナゴケ。だからこそ日本全国どこででもみることができます。

もっと詳しくまるで星屑・・・!スナゴケの採取方法と育て方・増やし方

よく生えている場所

日当たりの良い石垣や、土、石、コンクリートの上などどこでも見ることができます。

スナゴケの特徴

スナゴケは明るい緑色をしていて、真上から見るとまるで☆の形に見えるかわいらしい苔。その色味や扱いやすさから、苔テラリウムや苔庭などの定番の苔となっています。

ジャゴケ

ジャゴケ
日の当たらない場所で比較的ジメっとしたところに大量に発生することのある「ジャゴケ」。見た目がグロテスクに感じることと、生育環境から「嫌われモノの苔」として有名です。

もっと詳しく不気味?嫌い?本当はすごい「ジャゴケ」の採取と育て方・増やし方

よく生えている場所

上記にも書いたように、日が当たらなくて、ジメジメとした場所が大好き。家の裏などに出てくることが多いです。

コンクリートの上よりは水気の多い土や水の滴る岩場に張り付いている姿が見られます。

ジャゴケの特徴

その特徴的な見た目から、苔を全く知らない人でもジャゴケだけは知っていることも多いです。

また中学生の時の理科の授業でジャゴケやゼニゴケの繁殖について学ぶため、知っているという人もいます。

楕円~不規則な円形の苔。繁殖期に雌株の胞子体がまるで破れ傘のように広がるため、見分けが付きやすい苔です。

ちょっと自然が多ければ見つかるキレイな苔3種

例えば自然公園、池の側、緑が多い公園など、少し足を伸ばせば比較的簡単に見つけることができる苔を3種ご紹介します。

ハイゴケ

ハイゴケ
這うように葉を伸ばしていくのが特徴的。

日当たりのいい庭などでも目にすることがあります。芝生の中に一緒に生えていたり、雑草に絡んでいたりするので、草と一緒に処分されることも多い苔です。

もっと詳しく苔ビギナーさんはコレ!ハイゴケの採取方法と育て方、増やし方

よく生えている場所

ハイゴケ
公園の木の下や、草むらの中に草と一緒になって生えていることが多いです。切り株の上が好きな苔で、切り株の上を覆っていることもしばしばみられます。

ハイゴケの特徴

葉はまるでモールのようにもこもこした形状をしています。マット状に葉を広げていくため、苔庭でよく使われます。また、苔玉の定番の苔でもあります。

シノブゴケ

シノブゴケ

よく生える場所

シノブゴケがよく生える場所は半日陰~日陰にある石の上、倒木の上など。湿気を好みますが、乾燥した場所でも適応するとよく育ちます。しかし、直射日光が当たるような場所は苦手です。

シノブゴケの特徴

雪の結晶のような三角形の葉を伸ばします。マット状に広がり、見た目にも美しいため、苔庭などでよく使われます。

コツボゴケ

コツボゴケ
葉が透明なのが特徴的なコツボゴケ。

もっと詳しくまるで透明なお花!「コツボゴケ」の採取方法と育て方・増やし方

よく生える場所

水気の多いところで自生しています。例えば勢いのある川沿いで、水しぶきが当たるような場所に群生する姿が見られます。

また日当たりよりは日陰を好みます。
林道や小川沿いの道などで見つけることができます。

コツボゴケの特徴

コツボゴケの特徴
何といっても、透明感のある葉。

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苔の葉は1層なので、透明感があるものが多いですが、コツボゴケは特に顕著です。
コツボゴケはツルチョウチンゴケ属の一種ですが、このツルチョウチンゴケ属は同定がとても難しい種類。

コツボゴケの特徴としてはルーペで覗いてみると、葉の半分から上に細かなギザギザがあるのが特徴です。

mossco
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ツルチョウチンゴケの名前の由来は雌株がつける朔の形がまるで提灯のように楕円で下向きなところからついたようです。

透き通る葉が水を受けてキラキラと輝くさまはとても美しいです。
葉のつけ方は左右対称で、茎のてっぺんにはまるで花が咲いたように見えるのはコツボゴケの雄株につく雄花盤(ゆうかばん)。コツボゴケは雌雄異体です。

コケモン
コケモン

雄花盤は胞子をキャッチする生殖器になりもす。

出会えたらラッキー!人気の苔・希少な苔3種

ヒノキゴケ

ヒノキゴケ

まるで猫の毛のような柔らかさを持つ、大型の苔。
群生するところにはこれでもか!というくらいたくさん生えていますが、街中ではほぼ目にする機会がありません。

苔テラリウムやアクアリウムに入れる苔としても人気です。

もっと詳しく苔界のイケメン!「ヒノキゴケ」の採取方法と育て方・増やし方

よく生える場所

林の中、谷川の側、沢など水分の多い湿った場所を好みます。
柔らかな腐葉土や腐りかけた樹皮の上に群生していることもあります。直射日光に弱く、木漏れ日程度~日陰とあまり日の当たらない場所で自生しています。

ヒノキゴケの特徴

直立する苔(ちょっと斜めの時も)で、10cmを超える大型であることと、葉が細く柔らかいのが特徴的です。

オオカサゴケ

オオカサゴケオオカサゴケは名前の通り、大型の苔。

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あんまり苔っぽくないですよね。

コケモン
コケモン

カサゴケ属の苔たちはザ・コケ!という見た目ではなくて、種子植物っぽいんもすよね。

もっと詳しくまるで緑の花!「オオカサゴケ」の採取と育て方・増やし方

よく生える場所

林の中の腐葉土の上や、水が滴るような斜面に自生しています。水辺の側では一部水中化しているものも見ることがありますが、水中化すると、葉のサイズが小さめになることが多いようです。

日差しは苦手で、日陰地を好みます。

オオカサゴケの特徴

花が咲いたように茎の上で葉を放射状につけます。
地下茎があり、それが長く伸びて途中で地上に直立します。乾燥にも日差しにも極端に弱く、年間を通して高湿度が得られる環境を好んで自生します。

タマゴケ

タマゴケ
苔女子の中ではアイドル的存在。
苔を知らない人でもまるで風船をつけたみたいな特徴的な朔によって見分けが付くという方も多いです。

もっと詳しくコケ女子の人気No1!タマゴケ採取と育て方・増やし方

よく生える場所

日陰の岩場などに自生してます。
凸凹した岩場で腐葉土が溜まった所などを好み、厚みのあるコロニーを形成します。

タマゴケの特徴

名前の由来にもなっているのが朔の形状。2~3月になると丸い特徴的な朔をつけます。成熟してくると、朔の一部が赤くなってくるのも特徴の1つです。

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苔好きの方達は「目玉の親父」と呼んでいます。

タマゴケの朔=目玉の親父

 

コケモン
コケモン

ほうほう。確かにそっくりもす。

 

見た目の変化が楽しいタマゴケは、特に人気の苔だと言えそうです。

最も謎な苔とは?その名も「ナンジャモンジャゴケ」

ナンジャモンジャゴケ
出典:国立科学博物館

数ある苔の中でも特に奇々怪々な苔が「ナンジャモンジャゴケ」ではないでしょうか?

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名前からして大変なことになっていますね・・・。

長年分類できなかった謎の多い苔

ナンジャモンジャゴケが初めて発見されたのは1951年の長野。
葉が棒状、仮根を持たない、造卵器がむき出し、染色体がわずか4つしかないなど、これまで見つかっていた苔のいずれの種類とも違ったとても原始的な苔として当時はとても混乱を招きました。

苔の大きな分類であるセン類かタイ類かも区別できないという状態。
(※現在はセン類の基部にあたるのではと言われています)

結果、1科1属1種の苔として登録されました。

 

mossco
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これってとてもすごいこと。そうそうないですよ。

今でも未解明な部分が多い

ナンジャモンジャゴケは未だ胞子体が見つかっていません。さらに、雄株もはっきりわかっていません。

一応造卵器があるので、雌雄異体だろうと言われていますが、どのように繁殖しているのかはほとんど分かっていないのが現状です。

日本以外ではヒマラヤとアリューシャン列島で発見されており、そちらは「ヒマラヤナンジャモンジャゴケ」と言われています。

mossco
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他にもボルネオや北アメリカでも見つかっています。

ナンジャモンジャゴケは陸上植物の起源を紐解く糸口になるのでは?と注目されて今日も研究が進められています。

まとめ

身近な植物、苔。
どこでも見かける小さな植物ですが、実はまだまだ謎がたくさんあります。

種子植物のように種で増えるのではなく、胞子体を使って菌類のように増えたり、体の一部を分化させてクローンを作って繁殖したりと、苔は原子から今まで生き抜くための知恵をたくさん知っている賢い植物です。

枯れたように茶色くなっても、環境さえ整えば苔は繁殖を続けます。強く柔軟な苔の生態から目が離せません。

そんな面白い苔の世界をぜひ楽しんでみてくださいね。

mossco
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苔って植物界の不思議ちゃんです。

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