見た目はまるで花のような形。
本当に苔?と思いたくなるほど、苔のイメージとはかけ離れた姿をしているのが「オオカサゴケ」です。
苔テラリウムでは高さのある苔なので、景観作りに欠かせないものとなっています。
天然のオオカサゴケにはなかなかお目にかかれないほど希少性が高まり、近縁種である「カサゴケモドキ」は環境省の絶滅危惧Ⅱ種に登録されました。
もはや目にすることさえ難しくなってきました。
仲間がいなくなるのはさびしいんだもす。
そんな希少性の高いオオカサゴケについて詳しく説明します。
オオカサゴケを学術的に説明すると
生体分類はハリガネゴケ科カサゴケ属オオカサゴケ。
茎の下部分が土に埋もれた「地下茎」になることが特徴で、地中から直立茎を伸ばして立ち上がります。
茎の長さは6~8㎝程度。
葉の長さは1~2㎝程度。
葉の色味は比較的濃い目の緑ですが、葉が薄くやや透き通っています。
乾燥すると、傘を閉じたように葉を閉じて縮れます。
分布する場所
日陰地の山の斜面や、腐葉土が溜まったような場所に見られます。
高い空中湿度を好み、乾燥には極端に弱いのが特徴です。
湿潤した場所を場所を好むため、渓流沿いや水が滴るような斜面に生えることも多いです。
生育が遅く、湿潤状態を保たなければいけないので、庭のグランドカバーには不向きだと言えます。
採取方法
地下茎で増えるため、地下茎ごと増やしたい場所に移植するのが◎。
環境が合えば梅雨明け時期頃より新芽が活発に増えるものの、乾燥や日当たりなどの条件により育たないケースも少なくないです。
採取したオオカサゴケはその地下茎についている土ごと日陰地で湿潤環境を維持できる場所を選んで植え付けします。
横に走る地下茎は近くに生えるオオカサゴケと繋がっていることが多いため、広い範囲で深めに採取することがポイントです。
育て方
とにかく乾燥に弱い苔であるため、常に湿っているような環境を用意することをおすすめします。
紫外線にも弱いため、日陰~半日陰がベスト。
鉢植えの場合にはこまめに水を与え、土が乾かないのを目安にします。
苔テラリウムで蓋付き容器で育てる場合にはそんなに神経質になる必要はないですが、窓際に置くとあっという間にムレで死んでしまうこともあるので、部屋の真ん中など直接日差しが当たらない場所を選んでおきます。
暑い時期には瓶の中がムレてしまうので、玄関、トイレなど涼しい場所に置きましょう。
増やし方
地下茎で増えるのですが、生育は遅めです。
ただし、新芽が出てからの成長は早くなります。
基本的には地下茎をカットして移植する株分けのような方法で増やすのが簡単です。
撒きゴケでも増えるという記述を目にしますが、個人的には撒き苔法で増やせた経験がありません。
(環境に合わなかったという理由かもしれませんが)
朔柄を付けることは稀です。
管理人が偏見と独断で選ぶ、オオカサゴケの最もおすすめの利用法は
これはたぶん、満場一致で苔テラリウムではないでしょうか。
見た目の美しさを最大限に楽しむことができます。
さらに、乾燥に極端に弱く手のかかるオオカサゴケですが、苔テラリウムとして蓋付きの瓶に入れてしまうと驚くほどその元気を維持できます。
大き目のテラリウム容器で生育していると、オオカサゴケの新芽から新たなオオカサゴケの成長を見られることもしばしばです。
水中化はできる?
オオカサゴケもお気に入り✨
水草として図鑑には紹介されていたりもするけど、水中では長持ちしないから多湿な陸上管理がオススメ。 pic.twitter.com/sAeKuUFxwd— 山吹 (@yaamabuki) February 13, 2019
コケテリアやろうとしてカビたから無事だったオオカサゴケ水中にぶちこんだんだけど…これは増えようとしてるの?それとも栄養を求めてなんか出してるの? pic.twitter.com/Wx4u6z9HQ1
— ずんずん (@zunzun_pirate) November 11, 2017
▼ オオカサゴケ: オオカサゴケを株分けしました。地上葉よりもかなり小型化しましたが、上手く水中葉化してくれたようです。親株の方が現在鉢植えにして見ましたが、緑色だった葉が茶色くなってしまい。。。栽培は水中の方が楽… http://bit.ly/doJDCN
— dr-jun777 (@juuly777) June 29, 2010
高湿度を好むため、水中化もよく試みられますし成功率も高め。
ただし、水中化により生育が活発になるこということはなく、大体において葉が小さくなるというのが多いようです。
半透明の葉を水中化して楽しむのも美しいですが、苔のダメージを考えるとやはり苔テラリウムがベストと(個人的には)考えます。
なかなか自然の中ではお目にかかれないオオカサゴケですが、もし出会った暁にはその美しさを存分に楽しんでくださいね!
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