どこにでもいるコケといえば、ギンゴケ、スナゴケ、そして「ホソウリゴケ」ではないでしょうか?
場所によるけどね・・・。
鮮やかな緑、目を凝らしてみれば透明感のある小さな葉、それがまるでおもちのようにふっくらもふもふのコロニーを形成している苔、そうそれが「ホソウリゴケ」なんです。
ちなみに、大都会に生える苔としてホソウリゴケは「アーバンモス」とも呼ばれます!
アーバン!(都会的な)
ちなみにアーバンモスと呼ばれる苔には他に「ギンゴケ」「ハリガネゴケ」「ハマキゴケ」など、コンクリートの目地でおなじみの苔があります。
今日はそんな逞しく生きるアーバンモスである「ホソウリゴケ」について詳しくまとめていきますね。
ホソウリゴケを学術的に説明すると
学名はBrachymenium exile。
マゴケ網マゴケ目ハリガネゴケ科ウリゴケ属ホソウリゴケ。
よく見かけるギンゴケやハリガネゴケと同じハリガネゴケ科なんです。
ちなみに意外なところで「オオカサゴケ」も同じハリガネゴケ科の仲間ですよ。
ホソウリゴケとギンゴケの違いは?
ギンゴケとそっくりでよく間違われるのですが、ギンゴケよりも葉が小さくて細身。
ギンゴケは乾燥時もそうじゃない時も茎に葉が接しているので、見た目には太いボールペン先のようなものが付きだしているように見えます。
それにし対してホソウリゴケは乾燥していない時は茎かから葉が離れて開き、上から見るとふさふさとした葉先がたくさん見えます。
乾燥時には葉が茎に接するため、見た目がギンゴケのように見えますが、一つ一つがヒョロヒョロと細く色は黄緑がかって見えます。白っぽくなりますが、ギンゴケのそれには及びません。
乾燥時、ホソウリゴケは葉の先端だけが白っぽくなるけど、ギンゴケは葉全体が白っぽく見えるようになります。
ギンゴケの葉はマッチョ、ホソウリゴケの葉は細マッチョと覚えましょう!
ホソウリゴケが分布する場所
日本全土で見られます。
小笠原諸島や東~東南アジア、アメリカ・ハワイ島でもホソウリゴケを見ることができます。
自生する環境
都会から田舎、どこの地域でも目にすることができます。
コンクリート上やその裂け目、道路脇などなど。
これは本来苔が苦手とするような乾燥の強い場所や直射日光の当たる場所でも生育が可能であるためです。
乾燥すると上記でも書いたように葉を茎に寄せて、蒸散を防ぐ形になります。
この時、白い光沢がでるためギンゴケと間違われやすいですが、ギンゴケほど白くなりません。
ギンゴケの葉先は緑葉体がなくて透明だから葉先がたくさん集まると白く見えるんだもす。
見た目の特徴は?肉眼で見分けられる?
ホソウリゴケは肉眼で見分けやすい苔です。
間違えやすいのは上記でも書いたようにギンゴケですが、この2つの違いを把握しておけばすんなりと見分けられるようになると思います。
見た目の特徴は
- 丸くて厚みのあるコロニー形成を好む
- 直射日光の当たる道路脇などコンクリート上に自生
- 乾燥時には葉先が白っぽくなるがギンゴケほどではない
- 葉の付け根に胞子体の丸い無性芽をよくつける
ギンゴケ同様、どこでも目にすることがある苔なので、たくさん見比べてみてくださいね!
採取方法
丸くて厚みのあるコロニーを形成するため、採取は比較的簡単です。
薄いプラスチック版や平鍬で、コロニーを地面からはぎ取るように採取します。
この時できるだけ仮根を傷つけないようにしましょう。
ホソウリゴケの生え方は密度が濃いため、コロニー内にはたくさんの虫や卵などが入りこんでいる場合が多いです。
しっかり水洗いをし、できれば数日間は密閉したビニール袋に入れて虫が出てくるのを待ちます。
薬剤に抵抗がなければ、密閉ビニール袋に殺虫剤を少し入れておくと確実だもす。
ホソウリゴケは撒きゴケでもよく増えるので、虫が苦手なら自分で育てるのもおすすめ。
ホソウリゴケの育て方
ホソウリゴケは乾燥にも耐える、というよりは多湿が苦手と言えそうです。
苔は基本的に蒸れに弱いですが、密生するホソウリゴケは特にそれが顕著。
多湿を好む苔と寄せ植えにして、密閉容器に入れるとホソウリゴケだけが茶色く変色したり、カビが生えてしまうことも多く、そこから他の苔も傷めてしまいがち。
ホソウリゴケを室内で育てる場合には密閉容器を避け、開口部の大きな容器を用いて風通し・日当たりの良い場所で育てます。
乾燥に強いですが、水分をしっかり与えると美しいビロードのような緑色を見せてくれるため、毎日霧吹きでたっぷりと水を与えてください。
ホソウリゴケの増やし方
他の苔に比べて生育も早いです。撒きゴケでよく増えます。
育苗箱に赤玉土細粒と川砂を混ぜたところに撒いて、キッチンペーパーなどをのせた上からたっぷりと霧吹きで水をかけます。
その後はキッチンペーパーが乾燥してきたら水やりを繰り返します。
柔らかな日差しが当たる場所に置きます。
順調にいけば1ヵ月ほどでポツポツと芽が出始めるので、その頃にはキッチンペーパーは取り除き、乾燥しない程度に霧吹きで水を与えていきます。
庭植えの場合には、移植法でもその後自然と増えますが、全体に広げたい場合にはやはり撒きゴケがおすすめです。
撒いた後は目土(黒土5:赤玉細粒3:川砂2など)を薄く撒いておくことをおすすめします。
撒きゴケの時期は雪が降らない時期なら大体いつでもOKだけど、春と秋が安定するっていう人がおおかったもすよ。
ホソウリゴケは水中化できる?
残念ながら私自身は試したことがありません。
しかし、水中化を試みたブログやSNSでは失敗した方しか見かけませんでした。
ホソウリゴケは乾燥に強く逆に水辺ではほとんど見かけません。
こうした特徴から水中化はむずかしい可能性があります。
管理人が偏見と独断で選ぶ、ホソウリゴケの最もおすすめの利用法は
ずばり、「オープン容器で育てる」です。
ホソウリゴケは盆栽鉢との相性抜群。
個性的な盆栽鉢にホソウリゴケを入れて楽しむのはおすすめです。
いわゆる苔盆栽ってやつもすね。
苔だけだと寂しい場合は、梅や松やガジュマルを植えて本格的な盆栽にしてもいいかも。
ガジュマル盆栽も流行ってますからね~
ホソウリゴケを愛でる口コミ
スナゴケとホソウリゴケが今のところ一番好み pic.twitter.com/1Wup4ziWMw
— めるひぇん@春のぱんつ祭り (@SakuraAngelWing) December 6, 2018
ホソウリゴケ(おそらく)。
蒴に出会えるとうれしい(*´ω`*) pic.twitter.com/a6B0gHnt3t— musimegane (@musimegane6) September 9, 2019
皆さまこんにちは!
駅前にあるもっこりしたホソウリゴケかな?シビれるミドリをしております〜
(。◕ ∀ ◕。)たまりません!!
そして、私はSUUMO特番で編集中。別な意味でシビれております(笑)#moss #苔 pic.twitter.com/DEHteIIORT— ヨポヨポ苔 (@yopoyopoyasu) October 22, 2016
ホソウリゴケ(道端で採取)
ふかふか絨毯みたい pic.twitter.com/5M8o1RrSre— Sheen (@ki3ragi) October 2, 2016
みんなホソウリゴケが大すきもすね!
まとめ
ホソウリゴケの魅力はどこにでもある苔だけど、ふと注目してみると驚くほどきれいであるということだと思います。
雨上がり、ハッとするほど美しい苔が道路脇で輝いていたらそれはホソウリゴケかもしれません。
日常の中にある小さな森、ホソウリゴケ。
虫たちの憩いの場、繁殖の場として都会のコンクリート上でもこもこを作っている健気で愛すべき苔の一つ。
もし目にすることがあれば、ぜひ間近で見てみてください。
きっとその美しさに心が癒されると思います。
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