湿地帯や湧き水の多い場所、沢などの岩上、水路脇の壁面などにボコボコと厚みのある凹凸でコロニーを形成する苔、「カマサワゴケ」。
元気な時には蛍光色を思わせるほど黄緑色が鮮やかです。
葉が直立し、上から見るとまるで針山のようなイメージ。水滴を弾きキラキラと輝く姿にファンも多い苔の一種です。
見つけた時はけっこう感動します!本当にきれいなんです~♡
湿地帯や湧水のある場所でよく見かけるこのカマサワゴケについてまとめました。
カマサワゴケを学術的に説明すると
学名はPhilonotis falcata。
マゴケ亜綱ホゴケ目タマゴケ科サワゴケ属カマサワゴケに分類されます。
意外に思われるかもですが、カマサワゴケはタマゴケ科なんです♡
蒴は丸くてタマゴケに蒴にそっくりですよ!
カマサワゴケは湿気の多い場所に行くとよく見かけますが、近似種であるマキバサワゴケが京都府レッドデータブックに掲載されたことで、絶滅危惧種として混同されやすいです。
意外とどこでも見るのがカマサワゴケです。
カマサワゴケが分布する場所
日本全土で見られる在来種です。
アジアでは朝鮮、インドやネパール、南半球ではアフリカでも目にすることができます。
アフリカに自生するカマサワゴケが見たくてたまらないですね。。。
自生する環境
木漏れ日が当たるような半日蔭で、水が滴るような場所が大好きです。
湧き水が流れているようなコンクリートの上や岩上、壁面などで見られます。
住宅地の水路側面などに小さなコロニーを形成しているのを見かけることがあります。
他にも公園の水辺など、わりと身近なサワゴケの一種です。
住宅地で見られるのは小型のものが多いよ。
見た目の特徴は?
半球状に形成したコロニーがあちこちに点在するような広がり方をします。
マット状にはならず、密生して場所だとそれぞれのコロニーが広がってくっついた形になることはあります。
茎の高さは2~5cmほどで葉は茎に沿うようについていて、湿気を帯びた場所でもあまり広がりません。上から見ると放射状に葉がついていて、葉と葉の間に隙間があります。
この隙間が大きく、茎がみえるような広がり方をしているものに「オオサワゴケ」があります。
ただし、見た目もサイズも似ているためこの2つを区別するのはむずかしいです。
葉先が少し湾曲し、「鎌」に似ていることからこの名前がつきました。
雌雄異株。
蒴柄は6~10cmほどになり、蒴は球形。
りんごのように丸い蒴をつけるため、「アップルモス」と呼ばれることも。
出典:苔の論理
まぁ、それを言ったらタマゴケ科は全部アップルモスだけどね!
無性芽をつける時期には手で触れただけでたくさんの無性芽が指につくこともあるもす。
採取方法
岩上やコンクリートに張り付いているものなら、仮根をなるべく傷つけないよう、薄くて硬さのあるシート状のものを差し入れて採取します。
石や木の上に張り付いているものならそのまま採取するのが無難です。
比較的丈夫な苔ではありますが、傷みに弱く傷付いた場所から茶色く変色してしまうことがあります。
採取後はなるべく湿気の多い環境で育てるのがよいです。
室内であればアクアテラリウムや蓋つきのボトルでたっぷりと水を張った状態で育てます。
蒸れと乾燥には弱いので直射日光を避け、涼しい場所に置きましょう。
カマサワゴケの育て方
コツはとにかく水を切らさないこと。
葉水もたっぷりと与えてあげましょう。
環境が合えば、ずんずん大きくなってくれるのもカマサワゴケを育てる楽しみの一つです。
カマサワゴケの増やし方
カマサワゴケは無性芽と胞子によって増えます。
広い範囲で増やしたい場合には無性芽をたくさんつける時期に、手でちぎって撒き、水を切らさないようにしていると芽をたくさんつけてくれます。
比較的増殖が速いタイプなので、環境があえば自然と増えていきます。
ただし、苔庭用としては適しません。水気が多い場所を好むため常に散水が必要になりますし、半日蔭にしておく必要があります。
カマサワゴケの水中化は可能?
私自身、なんどか水中化を試みましたがいずれも失敗に終わっています。
これだけ水気の多い場所を好むので、容易に水中化できそうですが少なくともガラス瓶で行った時には1ヵ月もしないうちに葉が茶色く変色してしまいました。
入れたてはすごくきれいですよ♡
気泡をたくさんつけてぷくぷくしています!
でも、水を弾くんだよね、すごく。
水が好きなのか嫌いなのかわからないもす。
管理人が偏見と独断で選ぶ、カマサワゴケの最もおすすめの利用法は
カマサワゴケは苔テラリウムとして育てるのがおすすめです!
アクアリウムは育成環境としてはベストですが、カマサワゴケの葉の美しさや繊細さをじーっと眺めるならやっぱり苔テラリウムです。
ソイルは黒め、小さめがおすすめです。
私は 翔美苑さんの培養土を愛用しています。
他にも「ボタニカルソイル」も扱いやすいですよ。
ソイルが黒だとカマサワゴケの美しい黄緑色がとてもよく映えますよ!あと、小粒のソイルの方が無性芽で増えやすい気がしています。
カマサワゴケを愛でる声
Twitterからカマサワゴケを愛でる声を拾ってきました♡
カマサワゴケの緑ってなんでこんなに綺麗なんだろう。順調に増えてます。 pic.twitter.com/DWruGKedLk
— 苔むすび (@Moss_Kamakura) January 8, 2018
カマサワゴケ拾ってきた pic.twitter.com/rT9Ua9bMse
— たま屋敷 (@pomiformis_tama) October 31, 2016
カマサワゴケ…
増えたー!!! pic.twitter.com/1oATmG0DnM
— とみ (@berialintegra) February 18, 2017
水大好きなクセに自分にかかる水は意地でも弾き飛ばすカマサワゴケ
雨だれみたいに上から落ちてくる水すら全部弾き返してて感心した pic.twitter.com/72w25cLY5r— やまぶき (@G_H_D_) October 17, 2019
カマサワゴケ
水の滴る場所で元気に増えてます
こいつの綺麗な緑が大好きです pic.twitter.com/D6cPfWElfc— モスモス コケの森@CRYPTO-GAMAE (@mosmosgreen) August 23, 2014
まとめ
カマサワゴケは身近にある苔の中でも、万人受けする苔だと思うんです。
水さえあればすくすく育つし、緑もキレイ。
つける蒴はまんまるでかわいい。
こんな愛され苔を知らないのはもったいない!
カマサワゴケを見つけたらぜひこのべっぴん苔を愛でてみてくださいね♡
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