見た目は生まれたての杉の木の赤ちゃんですよね!かわいい!
あまりに杉の木にそっくりなので、その名前がついた「スギゴケ」。
凛とした佇まい、スッと真っ直ぐに伸びるその姿は昔から日本人に愛されてきました。
苔庭や盆栽の下草として、今でも多くの愛好家がいます。
スギゴケは人気の高い苔の一つだもす。
スギゴケを学術的に説明すると
生態分類はスギゴケ科スギゴケ属。
スギゴケの種類にはウマスギゴケ、オオスギゴケ、コスギゴケ、タチゴケなどがあります。
園芸でよく使われるのはウマスギゴケかオオスギゴケですが、この二つは肉眼での区別は困難なほどよく似ています。
スギゴケの種類を見分けるのは肉眼では困難なことが多いです。
苔を見分けるのはスギゴケに限らずほんと、むずかしいもす。。。
スギゴケの特徴!雄株は花のように見える
出典:http://www.moss-ecology.jp/cont11/main.html
スギゴケを含む苔類は花をつけず、主に胞子や無性芽によって増えるもの。
なので、実際のところ「花」ではないのですが、スギゴケの雄株は「花」を咲かせたように見える時期があります。
美しいスギゴケの雄株はその花のように見えることからも愛好家に人気です。
分布する場所
出典:http://www.moss-ecology.jp/cont11/main.html
日本全土で自生が確認されています。
世界的に見ると、北半球で多くスギゴケの仲間を見ることができます。
生育する場所
低地~山地の日陰地を好みます。
湿った場所や、岩の隙間、腐木上などに群生します。
水辺を好む種類もあり、その場合には湧き水の側や、沼地の水際などでも生育しています。
採取方法
杉苔は他の苔類に比べると比較的しっかりとした仮根を土壌の中に伸ばしています。
そのため、採取はスギゴケ周囲の土ごとやや深めに掘るようにして採取します。
育て方
日差し好む苔なのですが、乾燥は苦手です。
直射日光の当たらないような場所に植えるか、室内の窓際から少し離した場所に置くようにします。
木漏れ日などの優しい日差しは大好きな苔です。
スギゴケにおすすめの土は?
苔は根から栄養を吸い取るということはありません。
スギゴケにおすすめの土というのは仮根が定着しやすい土台となります。
土作りは黒土に川砂を半分くらい混ぜるか、樹皮培養土でも育ちます。
一般的な苔の土(ケト土:赤玉土=7:3)でも問題なく育ちます。
メンテナンスは?
密生してくると、新芽が出にくくなるので都度間引きをするようにします。
生育環境に適している場合、その大きさが20㎝を超える場合もあります。
適宜トリミングをするなどして、好みのサイズに調整してあげましょう。
乾燥に耐えることもできますが、水分が少なくなると葉を閉じてしまいます。
葉が上向きに閉じかけてきたな、と思ったら霧吹きなどで水を与えます。
スギゴケは乾燥に強い
スギゴケは乾燥に強い苔です。
一度カピカピに乾燥しても、水を与えると再びよみがえります。
こちらは水を与えず、乾燥状態に数ヶ月おいたスギゴケ↓
葉を閉じ、縮れて丸まっています。
このスギゴケをしっかりと霧吹きで濡らしていくと・・・↓
奥がスギゴケです。
数時間後、葉が少しずつ開き始めました。
まだヨレヨレ感はありますが、次第にピーンとその葉を伸ばしていきます。
スギゴケが復活しなくなる目安は茶色く変色してパリパリになってしまった状態。
そこまでいかなければ、大体の場合、水を与えることでこのように元気を取り戻してくれるタフな苔です。
乾燥が続くような環境や常に強い風が吹くような海の側などでは生育が困難な場合が多いです。
庭植えの場合には初夏~初秋にかけては朝夕にたっぷりと散水すると葉を開き、キレイな緑を楽しむことができます。
増やし方
まき苔、貼り苔どちらの方法でも可能です。
ただし、環境によってスギゴケはかなり生育に差が出ます。
庭造りにスギゴケを利用したい場合には貼り苔が一般的です。
スギゴケは水中化できるの?
スギゴケは水はけのよい場所を好む苔であり、水中化はむずかしいようです。
赤茶色に変色したり、葉を落としたりと水中での成功例は見つけられませんでした。
スギゴケの水中化できた方はぜひどうやったか教えてください―
管理人が偏見と独断で選ぶ、スギゴケの最もおすすめの楽しみ方は
苔テラリウムを作る際に、「木」の代わりに使うのがおすすめです。
まっすぐにスッと伸びるその姿は小さな木そのもの。
テラリウムに奥行き感が出てぐっと魅力が高まります。
また蓋つきのテラリウムにすると湿度も保つことができるため、管理が容易になるという点からもおすすめです!
美しく凛としたスギゴケ。
日本人が愛したその風情をぜひテラリウムでも楽しんでみてくださいね。
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