ヒジキゴケは明るい日向のコンクリート上や塀や石垣など、私達の身近でよく見かける苔の一つ。
「ヒジキ」の名前の由来は様々な憶測がありますが、個人的には「乾燥した時の状態がヒジキっぽい」という説が一番納得かなぁと思っています。
今日はありふれた苔「ヒジキゴケ」を詳しくまとめてみました。
ヒジキゴケを一言でいうなら湿潤時と乾燥時のギャップがすごい苔です。
ヒジキゴケを学術的に説明すると
マゴケ網マゴケ亜網ヒジキゴケ目ヒジキゴケ科ヒジキゴケ属ヒジキゴケ。
マゴケ綱はコケ植物全体の95%が属する綱で、約11500種が苔がマゴケ綱に含まれるもすよ。by wikipedia
学名は「Hedwigia ciliata」。
ヒジキゴケ科に分類されているのは日本ではこのヒジキゴケだけなんだそうです。
ヒジキゴケの特徴
- ヒジキゴケのサイズ:4~5cm
特徴的なのは乾燥時の姿。
茎に葉がぴったりと沿い、不規則に伸びた茎はヒジキを思わせます。
また乾燥すると全体が少し白っぽくなるのも特徴の一つ。
乾燥時は根元が黒っぽく見えることも。
乾燥したヒジキゴケに水を与えるとわずか30秒ほどで葉を広げます。
葉を広げた時ヒジキゴケは白っぽさも消えてスナゴケにも似た明るい緑色となります。
スナゴケと一緒に生えてることもよくあるもすよ。
葉は中肋がなくて卵型。サイズは1~2㎜。葉先は葉緑体が無く透明。
ルーペで見ると葉先が白くなっているのがよく見えます。
雌雄同株。蒴柄はほとんど伸ばさず、雌苞葉に埋もれて蒴をつけます。
苞葉は苔の先端、花でいうところの蕾を守る外側の葉のあたりのことだもす。
蒴はオレンジ色でキレイですが、肉眼だとじっくり見ないとなかなか見つかりません。
ヒジキゴケが分布する場所
在来種で北海道から九州四国と幅広く分布します。
日本に限らず世界中の各地でヒジキゴケは見つけることができます。
自生する環境
日当たりのよい乾いた岩上、コンクリート上、石垣など。
日本庭園の石組や社寺の石灯篭の上など日光を良く浴びる場所に自生します。
採取方法
平たく、しっかりと仮根で張り付いていることが多いので、マットのまま剥がして採取するのはむずかしいです。
仮根を多少傷つけてもヒジキゴケ自体が弱ることはないので、端から少しずつ持ち上げるようにして剥がした後に竹串のようなものを差し入れて少しずつ剥がすとキレイに採取できます。
自然にあるヒジキゴケには虫や虫の卵が多くついていますので、採取後は流水のもとしっかり洗い、虫が出てくるまで1~2日はビニール袋に入れておくことをおすすめします。
ヒジキゴケの育て方
室内の場合
室内で育てる場合は密閉容器ではなく、フタのないオープンな容器で育てるのがおすすめです。
1日1回たっぷりと霧吹きで水を与え、日当たりのよい窓際などで育てます。用土は、水はけのよい赤玉土7:川砂3などがおすすめです。
密閉容器で育てる場合にはこまめにフタを開けて高温多湿になりすぎないように注意しましょう。
屋外の場合
日当たりを好む苔ですが、直射日光が一日中当たるような場所だと活発に生育できません。
屋外では半日蔭になるような場所が最適です。
ヒジキゴケはコンクリート上に自生しているものが多いので、岩や石垣への活着が容易と思われますが、実際にはなかなか活着しません。
岩への活着を試みる場合には、テグスなどで固定して水切れしないように毎日散水しながら1~2ヶ月は経過をみましょう。
苔庭の場合には水はけのよい土上において、目土を入れ、定着するまでは水切れしないように育てることをおすすめします。
ヒジキゴケはアクアリウムに向いてる?
ヒジキゴケはアクアリウムや水中化に向いてません。
乾燥を好む苔なので、多湿環境になると急に元気がなくなってしまいます。
多湿を好むホソバミズゼニゴケと一緒に密閉容器で育てていたらドロドロに溶かしてしまったとい黒歴史があります…。
管理人が独断と偏見で選ぶヒジキゴケの最もおすすめの楽しみ方
オープン容器で楽しむまたは、苔盆栽がおすすめです。
ヒジキゴケの楽しみはなんといっても、乾燥した状態の所に水をかけてふわぁ~と葉が開いて黄緑色になることだと思います。
オジギソウを初めて見た時のような感動ですもす!
なので、オープン容器で育て霧吹きで水をかけてその変化を楽しむのが一番よいかと思います。
ちょっと乾燥するとすぐにヒジキになっちゃうこの子は手をかけやすいオープン容器が一番と思われます!
まとめ
身近でよくみかけるヒジキゴケ。
乾燥前後で全然姿が違うので図鑑でみても「全然ちがう!」って思う苔の一つだと思います。
あと、図鑑は拡大が多いから肉眼でみても気づきにくいというのもある…
もしかしてヒジキゴケと思ったらじっくり葉先をみてください。
葉先が白くちょんちょんと爪のようになっていて、なおかつ先端にオレンジ色の蒴が見えたらきっとそれはヒジキゴケです。
ヒジキゴケの乾燥ビフォーアフターは必見。
見つけたらぜひチェックしてみてください。
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