苔の中でも特に人気の高い「山苔」。
そんな山苔は、人気故にやや取りつくされた感があり、自分で採取するのが難しいものもあります。
そんな中で「アラハシラガゴケ」は比較的入手しやすい山苔の一種。
モスグリーンの美しくやや長めで毛先の縮れた細い葉は、まるで毛足の長い猫を思わせる外観です。
ここでは「アラハシラガゴケ」について詳しくまとめたいと思います。
アラハシラガゴケを含む「山苔」は私が一番好きな苔です♡
扱いやすいしかわいいもすね。
アラハシラガゴケを学術的に説明すると
生態分類はシラガゴケ科シラガゴケ属アラハシラガゴケ。
学名は Leucobryum bowringii Mitt。
よく間違えられる苔に「ホソバオキナゴケ」があります。
アラハシラガゴケとホソバオキナゴケの違いは?
アラハシラガゴケと同じく「山苔」と言われる仲間に「ホソバオキナゴケ」があります。
ホソバオキナゴケもまた、シラガゴケ科シラガゴケ属。
そのため見た目にもそっくりで見分けが付きにくいです。
簡単に見分けるのは困難ですが、見分け方としては
アラハシラガゴケは葉が長く、細い。
またアラハシラガゴケは胞子体をあまりつけませんが、ホソバオキナゴケは普通に胞子体を見かけます。
分布する場所
日本では北海道から沖縄まで分布しています。
海外では台湾など東南アジアでその存在が確認されています。
生育場所
出典:http://mossplan.co.jp/zukan/araha.htm
紫外線は苦手。
暑さにも弱いため、湿気が安定して供給されるような日陰地を好みます。
木の根元や腐木上に自生することが多いです。
空気中に湿気があることは好みますが、湿潤環境は苦手。
やや乾燥気味の土壌で良く育ちます。
採取方法
日陰地の林の中、杉の根元などにマット状に群生する姿が見られます。
都会のコンクリート上にはあまり見られません。
どの苔にも共通していることですが、採取時には木ヘラなどで根本から優しく持ち上げるようにすくうとマット状のまま、キレイにはがすことが可能です。
育て方
出典:http://madhatter87.hatenablog.com/entry/2016/03/07/160058
庭園材で多く使われています。
古くからは苔盆栽や盆景の下草として使われることも多いです。
最近では容姿の可愛らしさからテラリウムや苔玉としても人気の苔です。
採取後も、生育環境と似た状態である日陰での管理がおすすめ。
室内管理は適していますが、暑さや蒸れに弱いため置き場所には注意が必要です。
窓際など、日当たりの良すぎる場所は避け、普段は室内の中心など直接日が当たらない場所を選びます。
湿気を好むため、密封タイプのテラリウムにも向いています。
(週に2回は蓋を開けて、息を吹きかけてあげましょう)
用土の作り方
用土は赤玉土:川砂が7:3の標準的な苔の用土で問題なく育ちます。
樹皮培養土もOKです。
庭の場合には採取した苔を1~2㎝程間を開けて用土の上に置いていきます。
置いた苔は次第にマットを形成します。
採取時に厚すぎる場合には裏側の褐色に変色した部分をハサミでカットし、薄くしても問題ありません。
植え付け当初はたっぷりと水を与えますが、その後は少しずつ水を与える回数を減らし、乾燥に慣れさせていくと管理が容易になります。
耐寒性に優れているため、寒い地域でも問題なく育ちます。
テラリウムなどの密閉した場所でも問題なくスムーズに育つことが多いです。
増やし方
増やす場合にはまき苔がおすすめ。
まき苔にした場合には被覆速度が速いです。
環境に慣れるまで、一時的に変色する場合もありますが、その後もきちんと管理できれば再び緑を復活させてくる確率が高い丈夫な苔です。
管理人が偏見と独断で選ぶ、アラハシラガゴケのおすすめの楽しみ方は
苔テラリウムがかわいいです!
ホソバオキナゴケと同じく、テラリウムの世界観として、芝生や丘、山などの演出が得意だと言えます。
テラリウムに入れる用土に高低差をつけて苔を張ると、山の急斜面で育つ「アラハシラガゴケ」本来の自然の姿をそのまま閉じ込めたような雰囲気にもなります。
アラハシラガゴケの毛先が気まぐれに遊んでいる姿から、動物の毛や髪の毛に見立てた苔雑貨も多くあります。
ぜひ自分だけのアラハシラガゴケの魅せ方を模索してみてはいかがでしょうか?
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