葉先が揃わずあっちこっちを向いている。
明るい緑色の細い葉先。
遠目にはまるで小さな動物のシッポ・・・!
それがシッポゴケです。
ただ置いておくだけでなんだか癒される、そんなペットみたいなシッポゴケを詳しくご紹介します。
シッポゴケを学術的に説明すると
生態分類はマゴケ綱シッポゴケ亜綱シッポゴケ科シッポゴケ属シッポゴケになります。
シッポゴケの仲間には「オオシッポゴケ」「シッポゴケ」「カモジゴケ」「フデゴケ」などがあります。
分布する場所
北半球に分布し、日本では全土でみられます。
アジアでは中国、台湾、朝鮮などにも自生をしています。
生育環境
山林(特に松林)の腐葉土の上、半日蔭な環境によく自生しています。
湿気を好み、直射日光を嫌います。
乾燥にも比較的強いものが多いです。
木の根元などにマット状に広がっていることもあります。
採取方法
山林などでマット状に広がっている状態を採取する場合にはヘラのようなものを差し込み、仮根の下の土ごと採取します。
形状上、虫や卵などがくっついていることも多いので、採取後は1週間ほど発泡スチロール内に入れるなどして虫が出てくるのを待ちます。
その間、水分は霧吹きでたっぷりと与えてください。
暑い時期には蒸れを起こさないように注意が必要です。
ヒノキゴケとの違いは?見分け方は?
シッポゴケの葉はうねるように葉を伸ばしますが、ヒノキゴケはまっすぐに弧を描きます。
また乾燥した時、ヒノキゴケの葉は内側に丸まりますが、シッポゴケの葉は茎に対してほぼ直角に広がっていきます。その際、向きはバラバラです。
葉が素直なのがヒノキゴケ、やんちゃなのがシッポゴケって感じです。
育て方
比較的育てやすい苔ではあります。
直射日光と涼しい日陰~半日蔭の環境を作るようにしましょう。
シッポゴケは湿った環境を好む性質がありますが、シッポゴケの仲間「カモジゴケ」は他のシッポゴケと比較してやや砂地を好む傾向があります。
カモジゴケを生育する場合には川砂を大目に入れた腐葉土に植え付けをします。
他のシッポゴケは「腐葉土」と「川砂」を半々にした土壌でOKです。
苔玉を作る場合にはケト土:赤玉土7:3でもよく育ちます。
育て方・増やし方
とにかく蒸れを嫌うため、夏の暑い時期の水やりには注意が必要です。
なるべく涼しい時間にたっぷりと与えるようにしましょう。
夏の暑さを苦手とする苔ですが、冬の寒風には強いです。
スギゴケのように寒風で赤っぽく変色することは少なく、美しい緑を保ちます。
水不足になるとやや茶色っぽい色味になりますが、適正環境に戻すことで鮮やかな緑色を取り戻します。
植え付けは移植がベスト。
シッポゴケで苔庭を作る場合にはすこし隙間を開けてマット状の苔を圧着させます。
仮根が出るまで2ヶ月ほどかかるため、目土を入れておきます。
マット状でも環境が合えば比較的早く増殖します。
蒔き苔での増殖も難しくありません。
茶色くなってしまうのはなぜ?
シッポゴケを育てていると葉先が茶色くなってしまうことがあります。
乾燥や環境が合わないことで、葉が枯れた状態です。
対策としてはたっぷりの水を与え、葉が蒸れないように通気を良くしましょう。
再び仮根が増え、新しい葉が出てくるのを待ってみましょう。
この間、水切れは起こさないように注意していきましょう。
シッポゴケは水中化できるの?
シッポゴケは一度水中化を試してみましたが、葉が細くなりダメになってしまいました。
光量が足りなかったのかもしれません。
SNSでシッポゴケの水中化に関して探しましたが、成功例は見つけられませんでした。
シッポゴケの水中化はむずかしいかもです。
成功した人がいたらぜひ教えてくださいもすー
管理人が偏見と独断で選ぶ、シッポゴケの最もおすすめの利用法は
苔テラリウムに入れると高さと独特の形状が存在感を放ちます。
シッポゴケ自体にボリュームがあるため、シンプルな苔テラリウムと比較的相性がいいです。
また、山野草や盆栽の下草にしてもキレイです。
苔玉にする場合にも長さがあるので巻きやすいです。
扱いやすい苔なので、オリジナルの見せ方を工夫して楽しむのも面白いと思います。
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