苔の中でも1、2を争うカワイイ苔。
そのキュートすぎる姿は、最近話題の苔女子からも絶大な人気―。
それが「タマゴケ」です。
人気の秘密はまるで風船のように丸く、透明感のある朔。
2月頃から関東平野部ではかわいらしいタマゴケの朔を目にすることができるようになります。
(山間部や寒い地域では3~4月頃から)
タマゴケを学術的に説明すると
生体分類はタマゴケ目タマゴケ科タマゴケ属タマゴケ。
日本を含む東アジア、シベリア、ヨーロッパ、北アメリカなどに分布します。
葉の見た目はスギゴケに似ていますが、色は若草色~黄緑色でスギゴケよりも淡く、葉も柔らかです。
成熟した状態で、全長が4~5㎝程の中型の苔です。
直立か斜めに立ち上がります。
茎は枝分かれしません。
茶色の仮根を密につけるのが特徴の一つです↓
タマをつけるのはいつ頃?
最も特徴的なのはやはり「朔」。
関東平野部であれば2月中旬頃より、朔が見られます↓
出典:苔(コケ、こけ)の通販:苔の販売専門店【モスファーム】
未熟な状態では、朔はまだ尖った形状をしていますが、やがて透明感を帯びた黄緑色の朔になります。
熟すと色は茶色へと変色していきます。
分布する場所
主に湿り気を帯びた岩上、腐植土の溜まった崖上などにコロニーを作ります。
コロニーは主に半円状↓
水がちょろちょろと流れるような湿った場所を好むものもありますが、半日陰でやや乾燥気味でも自生することがあります。
乾燥気味の場所で自生する場合には、生育は遅いことがほとんどです。
採取方法
コロニーになっている場合、その形を崩さずそのまま採取する方法がおすすめです。
柔らかな茶色の仮根が茎よりも長く、密に生えています。
採取時はこの茶色の仮根部分も一緒に採取します。
ただし、この部分にコバエが住み着いていることが多いため、仮根はしっかりと流水で洗い流すことをおすすめします。
水性の殺虫剤を少量、ビニール袋内側に吹きかけたものに採取した苔を入れて、丸一日置いておくと、苔へのダメージを最小限に、殺虫することができます↓
栽培方法
湿った環境を好むため、土は保水性の高いピートモスと赤玉土を7:3の割合で混ぜたものがおすすめです。
他には樹皮培養土や、ケト土単体でも、環境が合えば問題なく生育します。
ハイドロボールでも育つことはできますが、オープンな容器で育てる場合には、乾燥がネックになります。
その場合には毎日、こまめに霧吹きで水分を与える必要があります。
苔テラリウムにする場合には、口の狭い瓶がおすすめです。
育て方・増やし方
直射日光は好まないため、室内であれば、窓際ではなく室内中央の方が安心です。
庭への植え付けでは木の下など、日陰~半日陰の場所にします。
植え付け直後はしっかりと水分を与え、環境に馴染むまでは乾燥に注意しながら育てましょう。
増やす場合にはコロニーの一部を増やしたい場所に植え付ける方法(移植法)がおすすめ。
生育へ決して遅い方ではないですが(苔の中では)、環境が合わない、または乾燥している場所の場合、その生育が緩慢になることが多いです。
管理人が偏見と独断で選ぶ、タマゴケの最もおすすめの利用法は
タマゴケの朔を身近に感じることができる、苔盆栽、苔テラリウムなどがおすすめ。
風船のように丸く膨らんだタマゴケの朔は、タマゴケが元気に育っている証拠でもあります。
鮮やかな色合いのタマゴケは他の苔との寄せ植えにもぴったり。
デスクやテーブルなどに置いて、ぜひタマゴケを通して四季の移ろいを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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